金属表面処理部門

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イソナイト処理

一般熱処理とは異なり、窒素を表面に拡散浸透させ、表面に窒化鉄化合物層を形成することにより硬化させる処理です。このイソナイト処理は鉄鋼材料の性質を飛躍的に改善向上させる方法として産業界のあらゆる分野に展開しているすぐれた処理法です。

イソナイト処理とは 別名:塩浴窒化処理
化合物層8~15μm 拡散層約0.3mm

イソナイトは溶融塩浴熱処理の一つで、鋼の変態点より低い600℃前後の温度で処理されます。
最外層には侵入したCOとNにより窒化鉄層(化合物層)が形成され耐摩耗性・耐食性が向上します。
化合物層の下層にはさらに窒素が侵入して拡散層が形成(窒素が鉄中に過飽和に固溶)され、疲労強度が増します。(左の断面顕微鏡写真参照)
皮膜外観色は灰色~明灰色です。

特徴
  • 耐摩耗性の向上
    摩擦係数が極めて低い。μ=0.05~0.12)
    表面硬度の向上。
    耐かじり,耐焼き付き性の向上。
  • 疲労強度の向上
    曲げ・捩り・繰り返し応力下の材料の疲労寿命を増大させる。
  • 耐食性の向上
    硬質クロムメッキに置き換わるほどの耐食性を示す。
  • 耐熱性の向上
    500℃に加熱されても化合物層の性能を損なうことがない。
  • 経済性
    低温短時間の処理で歪みも少なく経済的・低コスト。
    短納期・多品種少量対応可能。
材質別表面硬度
材質 炭素鋼 クロム・
モリブデン鋼
ニッケル・
クロム鋼
窒化鋼 合金工具鋼 ステンレス鋼 鋳鉄
表面硬度
(HmV100)
400~500 600~800 600~700 900~1000 1000~1100 1000~1200 400~700
塩水噴霧試験結果(発錆までの時間)★S-Q,Q-P-Qは200時間以上
各種プロセスと処理工程
プロセス 耐食性 耐焼付性 耐摩耗性 耐疲労性 外観(光沢)
TF-1プロセス
S-Qプロセス
S-Q-Pプロセス
Q-P-Qプロセス
S-Qプロセス S-Q-Pプロセス Q-P-Qプロセス

AB-1処理を行うことで保護酸化皮膜を生成し、高い耐食性と耐焼付性・耐摩耗性の向上を実現します。

表面研磨することで耐食性は多少おちますが、光沢のある表面を得ることができます。

さらにAB-1処理を行うことで耐食性を回復させ、かつ黒色光沢のある美しい表面になります。

処理例

  • カップリングギヤ
    材質/S38C
    耐摩耗・耐ピッチング性

  • スグバカサ歯車
    材質/SCM3
    耐摩耗・耐ピッチング性

  • スプライン付ギヤ
    材質/SCM3
    耐摩耗・耐ピッチング性

  • クランクシャフト
    材質/S45C
    疲労強度・耐摩耗性

  • カムシャフト
    材質/チル鋳物
    かじり焼付防止

  • シリンダーライナー
    材質/FC
    耐摩耗性

  • ロッカーアームシャフト
    材質/S45C
    かじり焼付防止

  • バルブロッカー
    材質/SCM21
    耐摩耗性

※商標「タフトライド」は新商標「イソナイト」に変更となりました。