金属表面処理部門

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アノダイズ処理

アルミニウムの表面は、酸化皮膜で保護されており一般に耐食性はよいのですが、この皮膜は非常に薄いためそのままではあらゆる使用環境に耐えることはできません。
そのため、目的に応じ、表面を保護する皮膜をつける必要があります。
このアルミニウムに耐食性や耐摩耗性を付与し、着色をして装飾することを目的とした表面処理が、アノダイズ処理です。

アノダイズ処理とは 別名:アルミニウム陽極酸化処理

電気メッキは金属を陰極にして電解液中の金属イオンを還元析出させますが、アノダイズの場合は金属(アルミニウム)を陽極にして処理を行います。電解中にアルミニウム自体が酸素と反応して、酸化アルミニウム(アルミナ)が素地に強固に皮膜として形成されます。
見方を変えれば、アノダイズとは、自然にできるアルミニウム表面の酸化皮膜を強制的に厚く付けることであり、また、金属であるアルミニウムとセラミックの一種である酸化アルミニウムとの複合材料であるともいえます。
アノダイズ皮膜は硬く、また、生成の過程で微細孔が多数できるため、この微細孔を使って着色・すべり性・撥水性などを付与することができます。(微細孔は封孔処理工程で閉じることができます)

特徴

  • 高耐食性
  • 高耐摩耗性(高硬度)
  • 装飾性(着色・鏡面仕上げ・ナシ地仕上げ)
  • 電気的特性(絶縁皮膜)
 

アノダイズ別名:白アノダイズ、軟質アノダイズ

硫酸浴中で処理するもっとも一般的な処理です。

処理例:機械部品(着色済み)
特性 防錆、耐擦過性、耐食性、寸法性
膜厚 5~20μm
皮膜の色 無色(材質により灰色あるいは淡黄色)
用途 建材、工業製品一般、家庭用品

処理工程※標準タイプ

脱脂 エッチング アノダイズ 封孔 乾燥

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硬質アノダイズ

低温浴中で処理し、厚く硬い皮膜を形成します。
特に硬さや耐摩耗性を要求される部品に適用します。

処理例:ブレーキシリンダー
特性 高硬度、耐摩耗性、耐食性、絶縁性
膜厚 30~60μm
皮膜の色 灰色~暗褐色
用途 シャフト、ロール等摺動部品、航空機部品

処理工程※標準タイプ

脱脂 エッチング アノダイズ 封孔 乾燥

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着色アノダイズ

白アノダイズ表面の細孔に有機染料を吸着させ色を付けます。

処理例:釣り具リール
特性 装飾、光学特性(基本的性能は白アノダイズと同じ)
膜厚 5~20μm(白アノダイズと同様)
皮膜の色 各種染料準備(要相談)
用途 装飾用途部品、光学部品

処理工程※標準タイプ

脱脂 エッチング アノダイズ 着色 封孔 乾燥

※色の定着のため封孔処理は必ず行います。

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潤滑アノダイズ

硬質アノダイズ皮膜に特殊フッ素樹脂を含浸させることにより潤滑皮膜を形成します。

特性 耐摩耗、潤滑、非密着性
膜厚 30~60μm(硬質アノダイズと同様)
皮膜の色 灰色~褐色
用途 ローラー・ピストン等の摺動部品、食品関係部品

処理工程※標準タイプ

脱脂 エッチング アノダイズ 封孔 潤滑処理 乾燥

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クロム酸アノダイズ

クロム酸浴中で処理し、薄く緻密な皮膜を形成します。

処理例:航空機部品
特性 耐食、耐疲労(可撓性)、寸法精度、密着性
膜厚 2~5μm
皮膜の色 灰色
用途 航空機部品

処理工程※標準タイプ

脱脂 アノダイズ 封孔 乾燥

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光沢・つや消し処理

薬液のなかに浸けることにより、アルミ表面を粗したり、光沢仕上げにしたりします。
通常は、光沢・つや消し処理後、引き続いてアノダイズ処理を行います。

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大型アノダイズ設備の導入

全国でも有数の大型処理槽を備えたアノダイズ設備を導入いたしました。
硬質・軟質硫酸アノダイズ処理が可能です。

  • 最大サイズ 2850×2850×300
  • 普通・硬質アノダイズが可能
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設計ノート

潤滑剤選択・条件設定

アノダイズ皮膜の硬度と色はアルミ合金の種類によって異なります。

処理の適性

アルミ合金の種類によっては処理の難しいものもあります。

封孔処理

当社では、酢酸ニッケル、重クロム酸、および純水による封孔処理が可能です。

膜厚

アノダイズ皮膜の約半分が寸法増加分になります(下図)。処理条件の管理によりある程度の膜厚調整はできます。

アノダイズ皮膜 厚さ増加分 浸食分 地金
認定

当社処理工程は、株式会社IHI殿、バブコック日立株式会社殿、コマツ株式会社殿の認定を受けております。