アノダイズとは
アルミニウムの表面は、酸化皮膜で保護されており一般に耐食性はよいのですが、この皮膜は非常に薄いためそのままではあらゆる使用環境に耐えることはできません。
そのため、目的に応じ、表面を保護する皮膜をつける必要があります。
このアルミニウムに耐食性や耐摩耗性を付与し、着色をして装飾することを目的とした表面処理が、アノダイズ処理です。
特長
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高耐食性
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高耐摩耗性(高硬度)
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装飾性(着色・鏡面仕上げ・ナシ地仕上げ)
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電気的特性(絶縁皮膜)
アノダイズ
硫酸浴中で処理するもっとも一般的な処理です。
特性 | 防錆・耐擦過性・耐食性・寸法性・膜厚 |
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膜厚 | 5~20μm |
皮膜の色 | 無色(材質により灰色あるいは淡黄色) |
用途 | 建材・工業製品一般・家庭用品 |
処理例:機械部品(着色済み)
処理工程※標準タイプ
硬質アノダイズ
低温浴中で処理し、厚く硬い皮膜を形成します。特に硬さや耐摩耗性を要求される部品に適用します。
特性 | 高硬度・耐摩耗性・耐食性・絶縁性 |
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膜厚 | 30~60μm |
皮膜の色 | 灰色~暗褐色 |
用途 | シャフト・ロール等摺動部品・航空機部品 |
処理例:ブレーキシリンダー
処理工程※標準タイプ
着色アノダイズ
白アノダイズ表面の細孔に有機染料を吸着させ色を付けます。
特性 | 装飾・光学特性(基本的性能は白アノダイズと同じ) |
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膜厚 | 5~20μm(白アノダイズと同様) |
皮膜の色 | 各種染料準備(要相談) |
用途 | 装飾用途部品・光学部品 |
処理例:釣り具リール
処理工程※標準タイプ
※色の定着のため封孔処理は必ず行います。